裁判の傍聴について

裁判の傍聴は、一般の人が裁判の進行を直接見ることができる貴重な機会です。
今回は、福岡地方裁判所での傍聴についてご説明いたします。

福岡地方裁判所について

以前、福岡高等・地方・簡易裁判所合同庁舎は、福岡市中央区城内、大濠公園のほど近くに静かに佇んでいました。
庁舎を囲むのは、春になると一斉に咲き誇る美しい桜並木。
桜の季節になると、庁舎へ足を運ぶのも、どこか心が弾んだものです。

現在の福岡高等・地方・家庭・簡易裁判所及び検察審査会の合同庁舎は、2018年に福岡市中央区六本松に新たに建設されました。
この庁舎は、高裁、地裁、家裁、簡裁、そして検察審査会のすべてを一箇所に集約した、全国でも初めての合同庁舎であり、画期的な利便性を提供しています。

裁判傍聴の手順

1

手荷物検査・金属探知機

裁判所に到着したら、正面入口から入館します。
入館後は、空港の保安検査のように、手荷物検査と金属探知機を通過する必要があります。

Point
  • 服装に関しては正装である必要はなく、ジーンズやTシャツでも問題ありません。
    ただし、法廷内ではサングラスや帽子を外すことが求められます。
  • 裁判所は政治的意見を表明する場ではないため、特定の主義や主張がプリントされた服装やアクセサリーは避けるべきです。

    このように、裁判所では礼儀をわきまえた身だしなみが大切です。

2

裁判スケジュールと法廷の確認

手荷物検査と金属探知機を通過したら、その日に予定されている裁判と法廷を確認しましょう。

裁判スケジュールと法廷の確認方法
裁判スケジュールと法廷は次のもので確認してください。

  • 1階「総合案内」横の、「民事手続案内」の右横に、開廷日割表のパネルがあります。
    その日に予定されている裁判の法廷はこれで確認できます。
  • 開廷日割表のパネル横の、小さな机にある以下のファイルで、裁判の当事者名や事件名が確認できます。
    期日簿(民事事件)のファイル
    開廷表(刑事事件)のファイル
  • なお、注目を集める事件については、傍聴券が必要な場合もありますので、事前に確認しておくと安心です(開廷日割表がある場所の反対側に、傍聴券交付のお知らせがあります)。
Point

民事裁判よりも、刑事裁判の傍聴をおすすめします。

刑事裁判では、裁判官や弁護士、検察官だけでなく、書記官や事務官、被告人を管理する職員、証人、そして被害者参加人など、さまざまな立場の人々が関与しています。
彼らがどのタイミングでどのような発言をするのか、どの席に座っているのかを観察すると、裁判の進行が一層興味深く感じられるでしょう。

さらに、合議事件や裁判員裁判では、通常の裁判に比べて事件が複雑で、公判期日も複数に分けて進行します。
そのため、1回の傍聴だけでは全体像を把握しにくいかもしれませんが、そうした事件の流れを理解するためにも、ぜひ傍聴を重ねてみると良いでしょう。

3

傍聴

  • 法廷に入ったら、静かに席に着いて傍聴しましょう。
    法廷は、いつでも入退室は可能ですが、静かに入退室しましょう。
  • 携帯電話・スマートフォンは電源を切るか、マナーモードにして、法廷内では使用しないでください。
  • 他の傍聴人と会話したり、発言や拍手など裁判の進行を妨げるような言動は禁止です。
  • 事件関係者のプライバシー保護のため、法廷内での録音や撮影は厳しく制限されています。

    もし秩序を乱すような行為があれば、裁判官から退廷を命じられるだけでなく、処罰されることがあります。

最後に

裁判傍聴は、様々な人々が法廷に集まり、どのような役割を果たしているのかを観察し、またどのような準備が行われているのかに注目すると、裁判の進行がより深く理解できるでしょう。

余談:傍聴めし

残念ながら、福岡地方裁判所内にあった食堂は閉業してしまったため、「傍聴めし」を楽しむことはできなくなりました。
しかし、六本松エリアには美味しいごはん屋さんが数多く点在しており、「六本松めし」は十分に堪能できます。
私の秘書によると、おすすめは「五穀」というオムライスの名店と、評判のパン屋「マツパン」だそうです。
裁判傍聴の際は、ぜひ美味しいご飯も併せて楽しんでください。

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